黒柳徹子の自伝的小説をアニメーションで描いた映画『窓ぎわのトットちゃん』。監督・脚本を努めた八鍬新之介(やくわしんのしけ)に、作品に込めた思いやこだわりを尋ねてきたインタビュー連載の最終回は、劇中で異彩を放つ4つのシーンに注目しつつ、作品が公開された現在の心境を語ってもらった。 ――劇中には、序盤、中盤、終盤のそれぞれに印象的な3つの空想シーンが配置されています。これらはどうやって生み出されたのでしょうか? 八鍬 日常シーンが続く作品ですから、どこかでお客さんの心が解放されるような非日常なシーンが欲しいなとは思っていたんです。序盤の「電車シーン」は、トットちゃんがトモエ学園に転校してきて、初めて廃車を利用した電車の教室に入って夢想するシーンですが、原作でも「まるで電車が走り出した感覚をおぼえた」というような下りがあって、そこから膨らませたパートです。このパートを手がけたのは神戸佑太くんとい
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