宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月14日、運用を断念したX線天文衛星「ひとみ」の後継機を2020年に打ち上げる計画を、文部科学省の審議会で明らかにした。同省が計画を精査し、関連費を17年度予算の概算要求に含めるか検討するという。 ひとみは、X線を専門に観測する衛星として2月に打ち上げられたが、姿勢制御中に操作を誤って高速回転させて分解し、JAXAが4月に運用を断念した。ただ、故障前の試験観測では、銀河団のガスの動きを世界で初めて観測するなどの成果を挙げていた。 JAXAは「(ひとみは)世界唯一の大型X線天文衛星としての活躍が期待されていた」と強調。同様の衛星は、28年に欧州主導で打ち上げ予定の「Athena」までなく、「X線天文学の最も重要な部分が空白期となる」とし、20年には後継機を打ち上げたい考えだという。