すぐれた企業は、すぐれたケーススタディの方法論を持っているのでしょうね。たとえば、トヨタの「なぜを5回繰り返せ」というのは、ケーススタディの方法論と見ることができます。 井上:その通りです。トヨタはもちろんそうですし、セブン-イレブンも事例研究の方法論を持っています。セブン-イレブンはデータ活用が得意な会社ですが、その数字の示すことを読み取るために事例研究を徹底する。「なぜ、こういうデータになるのか」を解明するために、脈絡を拾って、原因を抽出して、横展開できることは横展開する。それを繰り返しているのが、セブン-イレブンの仮説実証経営です。 ケーススタディをしない会社に、良い会社はない。すぐれた会社になるための「必要条件」の1つは、ケーススタディに組織的に取り組んでいるかどうか。そう言えるのではないかと思います。 今回の本では、事例研究に組織的に取り組んでいる会社として、公文教育研究会(KU