さすがにNYタイムズは並の新聞とは違う。デジタル版の有料化で購読料収入を増やし続け、一時の経営危機から抜け出し、回復軌道に乗ってきているようだと、言われてきた。今年の第1四半期(1月~3月)の決算発表では、不振続きの広告売上がプラス成長に転じたこともあって、経営陣が楽観的な見通しを語り始めていたほどだ。 外部からも高く評価されているのは、デジタルシフトが進む中でデジタル版購読者数が順調に増え、購読料(販売)売上が着実に伸びていることである。また、売上高が広告依存から販売依存にシフトしていることも、好感を持たれていた。 デジタルコンテンツの有料化に突入してから3年以上が経つが、確かにその間の購読料売上高は一本調子で増え続けている。先週発表のあった第2四半期(4月~6月)決算でも、その四半期の間にデジタル版購読者数が3万2000人も増え、6月末に総計で83万1000人に達した。順風満帆に思えた