「柔道男子選手の食事を見ていると、みんな筋肉をつけたい人ばかりですから、たんぱく質はよく取れていました。ただ、すごく厳しいトレーニングや練習をして体力が消耗しているのに、すぐにエネルギーになる食材の摂取が少し足りていなかったんです」 こう話すのは、ロンドン五輪から女子柔道代表の管理栄養士を務め、2014年からは男子選手の指導も任されている、日本スポーツ振興センター(JSC)ハイパフォーマンスサポート事業柔道専任管理栄養士の上村香久子氏。男子選手の食事風景を見るようになってからの印象だと言う。 運動前の炭水化物摂取が足りないと筋肉が削られる エネルギー源、つまり炭水化物の摂取量が少な目の選手が多いのは、「炭水化物の取り過ぎ=体脂肪の増加」という意識が働いていたようだ。 「合宿では、かなり追い込んだ練習や稽古をします。エネルギーになる炭水化物、つまり糖質が足りていないと、体はたんぱく質である筋
「一般の人は軽く考えがちですが、世界レベルの柔道選手にとっては、勝敗の命取りになりかねないくらい重要なことなんです。脚にむくみが生じているということは、水が溜まって重量が増えている状態です。すると、いつもよりコンマ数秒、足運びが遅くなる。動作の感覚も違ってきますから、技に微妙な狂いも生じる。そんな状態で試合前の練習に入ると、その日の練習が無駄になってしまいます。また、むくみによって可動域も狭くなっていますから、最悪の場合、ケガにつながる可能性も出てきます」(岡田准教授) 選手やスタッフが海外の大会場所へ到着するのは、通常、試合の3~4日前。それからすぐに、試合前の調整練習が行われる。その時に万全の体制で臨むためにも、むくみ対策は重要なのだ。 「余裕のない遠征日程の場合は、現地到着から試合まで3日しかありません。下手な動きで練習してしまうと、翌日や翌々日のパフォーマンスがガタ落ちになってしま
ロンドン五輪後に男子柔道監督に就任した井上康生氏は、2000年シドニー五輪の金メダリスト。そして現役時代から今まで、日本の「柔道」と国際的スポーツである「JUDO」の違いを身をもって感じている一人でもある。 「そこで井上監督は、日本の柔道界の中だけではなく、世界で勝つために必要だと思われる世界中の格闘技の技法や筋肉トレーニングと、その理論を取り入れていきました」 こう教えてくれたのは、ロンドン五輪直後から井上氏の下でチームの一員となり、総務コーチの任を努めて来た、日本体育大学運動器外傷学研究室の岡田隆准教授だ。 海外選手たちは、母国の伝統的な格闘技や武術をベースに柔道選手となり、オリンピックに出場してくる。今や日本伝統の柔道技だけではなく、多彩な技法が織り込まれているのが国際スポーツの「JUDO」なのだ。 各格闘技からJUDOに応用できる技を抽出して身に付け、対策につなげるというのが井上監
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