いわゆるED治療薬のバイアグラは、本来、狭心症や肺動脈性肺高血圧症の治療薬シデナフィルとして開発された。だから、心臓や血管系の疾患を持つ患者が、EDを治療する目的でバイアグラを服用するのは危険とされている。このように、ある病気の治療を目的に開発された薬が、よく調べてみるとまったく予期しない別の病気に効果がある、という事例はかなり多い。表題の記事では、マラリア治療薬がパーキンソン病の予防に効くかもしれない、という研究を紹介している。 パーキンソン病のような神経変性疾患の原因は様々だが、この研究では、ある二つのマラリア治療薬が、脳内の神経伝達物質であるドーパミンを作り出す神経細胞を保護する作用を持つことを発見したらしい。二つの薬とはクロロキン(Chloroquine)と アモジアキン(Armodiaquine)で、シンガポールの南洋理工大学とハーバード大学医学部などの研究者らの成果だ。 クロロ