日本政府は、農業部門において大胆な目標を掲げている。農産物生産量を2013年の5千万トンから2025年までに5千4百万トンに大幅に増やし、増加分のほとんどを輸出に回す方針だという。目標達成の具体策を見極めるために、マッキンゼーは日本の農業部門に関連するトレンドについて調査を実施した。(写真:PIXTA) 前回は、日本の農業の特徴とグローバルトレンドについて確認した。今回は、食料需要の急増など、根本的な変化に対応して起きている国際競争や、アグテック(農業とテクノロジーの融合)などの「農業らしからぬ」新たな潮流を解説しつつ、日本の農業がグローバルチャンスを掴み取るための道筋を示したい。 日本の農業が解決すべき宿題 まずは、日本の農業の課題を、先に提示しておこう。 日本の農業が進むべき方向について、日本政府は食品産業および農業に関して2つの高い目標を掲げている。農産物生産量を2013年の5千万ト