2014年05月05日18:24 カテゴリ経済 なぜ人手不足になるの?(歴史編) この問題は多くの人に関心があるらしく、テクニカルな上級編にも意外に多くのアクセスがあったので、ついでにいま書いている『マルクスで読む資本主義の500年史』(仮題)の原稿から、それに関係のある話を抜粋しておこう。 「産業革命」という言葉に前提されているのは、18世紀のイギリスに起こったのが産業の革命だったということだが、それは製造業中心の供給ベースの歴史観である。産業インフラや市場経済の発展だけをみれば、当時も中国が世界の最先進国だった。それなのにヨーロッパの西端の島国イギリスが驚異的な発展を遂げたのは、高賃金の労働者が消費したからだ、というのがアレンの見方だ。 では、なぜそんな高賃金が払えるようになったのか。彼のあげる第一の原因は、人口の減少である。全欧に猛威をふるった黒死病の影響は近世まで残り、イギリスの人