関西の安藤忠雄が、日本の安藤になろうとしていたころ、関西のTVは、彼のことをしばしば特集していた。話のおもろいおっさんが、寄せ集まりのような若い衆とケッタイな建物をつくる。番組では面白いところだけ選りすぐったのだろうが、ドキュメンタリーとしてサマになる人物だったのだ。ここ京都にも安藤作品がチラホラ建ちはじめていて、それなりに好奇心をそそる外見だった。 やがて安藤は世界のアンドーとなって、それはそれでよかったのだが、今回の国立競技場騒動ではちょっとびっくりした。 まず審査員だったということ。なぜ選手としてコンペに参加しなかったのだろう。20年前のアンドーなら、絶対レフェリーやジャッジになったりはしない。俺はグローブをしてリングに上る!だったのじゃあなかろうか。 びっくりしたのはこれだったが、がっかりしたのは弁解である。 デザイン決定後の基本設計や実施設計には 「審査委員会はかかわっていない」