犯罪行為を働くハッカーといえば、暗号のことしか頭にない技術オタクの姿が目に浮かぶかもしれない。「ゲームプレーヤー」「パズル解読者」「PC操作の達人」といったタイプだ。しかし最近になって、少し違った姿が浮かび上がってきた。一言で表すなら、ハッカーも普通の人間、という点が注目されはじめたのだ。 オンラインの脅威について考えるとき、たいていの場合、わたしたちは技術的な側面に目を向けがちだ。例えば、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ (CSRF) の巧妙さ、各セッションや許可、認証、プロキシ、クエリストリング操作などだ。それらにばかり注目していると、攻撃の根本を見逃してしまうことになる。サイバー攻撃の真の原因は、ハッキング行為というよりはむしろハッカーそのものに潜んでいるからだ。 ここからは、ヒューマンファクターの立場から、ハッキング