自動車は仮想技術を利用して設計されることが増えており、そのプロセスでシミュレーションの果たす役割も大きくなっている。したがって、そうした設計プロセスの早い段階でデジタルモデルやデータをより効率的に扱う手段として、エンジニアが仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を検討するようになったのは至極当然のことだ。自動車メーカーとして初めてMicrosoftのARヘッドセット「HoloLens」を自社のエンジニアリング用ツールキットに組み込んだVolvoは、そうした動きの最前線にいる。 「Volvo 90」シリーズの自動車はその格好の例だ。「XC90」や「S90」の最初のテストミュール(テスト用車両)が作られ、洗練されていく前に、同シリーズで採用される新プラットフォーム「Scalable Product Architecture(SPA)」が設計され、コンピュータシミュレーションで何百回もテストされた。