資産の配分の前に、資産の分類を考え直さないといけない。なぜなら、資産を国別に分けることは、株式においては、グローバル化により、債券においては、金融政策の協調により、意味を失ってきているからであるし、資産の多様化が進み、従来の資産種類間の垣根がなくなってきているからである。 今でも、資産分類の重要な軸は、資本構成における位置である。株式と債券というのは、基本的な資産分類であるが、この区分は、企業の貸借対照表の右側の負債・資本勘定の構成(資本構成という)における分類である。一般的に、資産とは、別な主体の負債のこと(例をあげれば、国債という「資産」は、国の「負債」)だから、資産の区分は同時に債務の区分であるわけだ。 投資とは、本来的に、事業(事業そのもの、もしくは事業を営む企業体)から創出されるキャッシュフローの分配を受けることである。資本構成というのは、実は、その分配を受ける権利の優先順位をい