市場原理は、最初から、循環性、即ちシクリカリティを内包している。価格が下がれば、需要が増えて、価格は下げ止まる、そのような価格変動による需要の自動調節、同じことを逆にいえば、需要変動による価格の自動調節こそが市場原理の本質である。 しかし、現在では、シクリカリティによる自動調節作用は、常に機能しているわけではない。下がったら更に下がるという事態、即ち、プロシクリカリティは、今日では、普通に生じる。シクリカリティでは、均衡回復力が働くが、プロシクリカリティでは、それが働かず、不均衡が累積していくのである。 プロシクリカリティが現れると、そこで市場原理が機能しなくなる。あるいは、市場原理に任せた自然回復を待つならば、深刻な危機に突入する可能性があるということだ。そこで、プロシクリカリティを逆方向へ転換するためには、政府が積極的に機能しなければならなくなるのである。 プロシクリカリティは、実に悩