戦時中に中国人捕虜らへの人体実験を重ね、細菌兵器や毒ガスを開発した旧日本軍の秘密機関「731部隊」の隊員ら3607人の実名が記載された名簿が国立公文書館から開示されたと、西山勝夫滋賀医科大名誉教授が15日までに明らかにした。西山氏は「731部隊の隊員ほぼ全員の実名が公文書で示されたのは初めて。関係者のこれまでの証言を裏付ける貴重な証拠で、隠されてきた真実をひもとく大きな一歩になる」としている。 開示されたのは731部隊を中心とする「関東軍防疫給水部」の「留守名簿」(1945年1月1日付)で、西山氏が解析したところ、軍医52人、技師49人、看護婦38人、衛生兵1117人などの実名や階級、連絡先が記載されていた。