北海道喜茂別町で昨年5月、法定速度を超えて乗用車を運転したとして、道交法違反罪に問われた札幌市厚別区の会社役員の男性被告(81)に、札幌地裁は16日、追突を避けるための緊急避難だったと認め、無罪(求刑罰金4万円)の判決を言い渡した。 判決理由で大久保俊策裁判官は、男性は前後を別の車に挟まれていたことを挙げ「当時、後続車が1、2メートル後方で密着したように迫るなどの普通ではない走り方をしており、追突事故に至る可能性は低くなかった」と指摘。その上で「被告は前の車を追い越す際に法定速度を超えたが、今回のケースでは後続車との事故を防ぐためにはやむを得なかった」と認定した。 男性は昨年5月29日午後5時15分ごろ、喜茂別町の道路で法定最高速度の60キロを超える94キロで走行したとして起訴されていた。 札幌地検の浦田啓一次席検事は「予想外の判決。上級庁と協議の上、対応を検討する」とコメントした。