利用客へのホスピタリティー精神を大切にする。赤れんがが映える神戸北野ホテルにも同じ思いを抱くスタッフが集まる=神戸市中央区で フランス料理のシェフがホテルやカフェの経営を次々と成功させている。その秘訣(ひけつ)は料理とサービスの「オートクチュール」化の実現。阪神大震災で休館した「神戸北野ホテル」の再建が始まりだった。 ――もともとは三ツ星レストラン「ラ・コート・ドール」が92年に出店した支店の日本人料理長でした。 料理人として絶頂期でした。支店は留学時代の師匠、ベルナール・ロワゾーさんの店で、素材を生かした料理を出しました。一皿がテーブルに並ぶまでに約40人がかかわる丁寧な作りで、調理のタイミングが少しでもずれれば作り直しました。厳しい料理長だったと思います。ただ、ロワゾーさんから「本店に勝るとも劣らない」と評価をもらい、ゴールに達した思いでした。それが、95年の阪神大震災を機に支店が日本