『ブロウ』(BLOW/2001) 命がけのゲームをやってきた。 だが、俺の前に開かれた道は、月光に照らされた孤独の道だった。 自由を得るために、人生を抵当に入れてしまった。 そう語るのは、ジョージ・ユング。この名を聞いたことのない人がほとんどだろう。それもそのはず、彼はミュージシャンでも映画俳優でもない。あえて肩書きをつけるなら、「伝説のドラッグ・ディーラー」「1億ドル以上は稼いだ密輸人」「アメリカにコカインを広めた男」といったところか。 1942年にマサチューセッツ州の住宅街で生まれ育ったジョージは、父親の事業破産によって一転、貧しい生活を余儀なくされる。「金で苦労したくない」と強く思うようになり、20代の時に幼馴染みと一緒にカリフォルニアへ移り住む。 ヒッピー文化が浸透する60年代のそこは、ジョージにとって「約束の地」だった。顔の広いスチュワーデスと仲良くなったことがきっかけで、元締め
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