オリジナル・アルバムとしては4年前の『エヴリ・カントリーズ・サン』以来、通算10枚目の節目を飾る本作。一方、モグワイといえばこの10年、並行してサウンドトラックの制作をライフワークにしており、この間にも『キン』と『ゼロゼロゼロ』の2タイトルをリリースしている。今年でデビュー25年を迎える彼らだが、横断的に様々なプロジェクトを手がけるその創作意欲は、キャリアを重ねるごとに高まり続けているように映る。そうした弛まぬ充実期に長くいるバンドならではの貫禄、風格のようなものをあらためて感じさせてくれる作品だ。 曲作りや演奏にアナログ・シンセが大幅導入された前々作『レイヴ・テープス』をへて、原点回帰も思わせるラウドなギター・サウンドが全編で求められた前作『エヴリ・カントリーズ・サン』。対して、本作ではリード・トラックの“ドライ・ファンタジー”やシンセウェイブ風の“ファック・オフ・マネー”にも象徴的なよ