【抜井規泰】「お相撲さんみたい」といえば、イメージは一つだ。体が大きい――といったら聞こえはいい。だが、現役時に体重190キロ近くあった元幕内大翔山の追手風(おいてかぜ)親方は、「俺たちから相撲を取ったら、ただのデブだもんね」と自嘲する。巨漢力士たちのエレジー(哀歌)を聞いて下さい。 力士の最重量は、北の湖部屋の三段目力士、大露羅(おおろら)。身長193センチで、体重はいま271キロ。昨年、故郷ロシアで弟の結婚式があり、久しぶりに飛行機に乗った。再来日直後、「僕、もう二度とイヤです」と涙目で語っていた。 大型力士が飛行機に乗る際の最大の難題は、手洗い。狭い飛行機のトイレに、どうやって入るのか。個室内で方向転換ができないので、後ろ向きで入る。そのまま便座に腰掛け、用を足したら、また、そのまま前進して脱出するのが力士流だ。