※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 「カイリュー はかいこうせん」――。これは人格者として知られるチャンピオンのワタルが、生身の人間に対し威力150の物理技(当時)を躊躇なくぶっ放す、『ポケットモンスター 金・銀』の名場面である。 「うらやましい」と思った。ワタルがではない。ロケット団がである。小学生だった私はドラゴンタイプが大好きで、カイリューと真の相棒になりたいと願っていた。当時の私にとっては、アニメ版の主人公コンビこそがロールモデルであり、ツッコミ感覚でポケモンが技をぶちかましてくるような気心知れた関係に憧れていた。私はポケモンたちが放つ電撃や火炎の温度を自分自身で感じてみたかったのだ。 大人になり、社会の荒波に打ちのめされ、さまざまな人間関係を経験し、心に多くの傷を負った。だが、ゲームの中のポケモンたちは、いまだに私を攻撃してくれない。たとえ私が悪の組織に入っ