コピー機がピーピーと警告音を発すると、3億円ぐらいの取引を決める分厚い企画書をプリントしていたビジネスパーソンは「紙詰まりか」と顔を曇らす。もちろん私も表向きはできまくるビジネスマンなので何食わぬ顔で軽く舌打ちしながら液晶に表示されたガイダンスを確認する。 しかし、その仮面の裏で高揚しまくる感情を抑えながらカバーを開け駆動部に詰まった紙を、窯から焼きあがった茶器を取り出すように丁重に取りだし、刻まれたシワを見つめる。まさにコピー機工芸たる繊細な美を、じっくりとしっとりと鑑賞するのだ。 1975年神奈川県生まれ。毒ライター。 普段は会社勤めをして生計をたてている。 有毒生物や街歩きが好き。つまり商店街とかが有毒生物で埋め尽くされれば一番ユートピア度が高いのではないだろうか。 最近バレンチノ収集を始めました。(動画インタビュー) 前の記事:ボラードがE.T. > 個人サイト バレンチノ・エスノ