ここはすべての夜明けまえ 作者:間宮 改衣早川書房Amazonこの『ここはすべての夜明けまえ』は、第11回ハヤカワSFコンテストの特別賞を受賞したSF中篇(もしくは短めの長篇といえるかぐらい)だ。特別賞は長さが短めだったり一点突破の魅力があったりで受賞する作品が多いが(たとえば過去事例で代表的なのといえば草野原々の「最後にして最初のアイドル」など)、本作も「刺さる人にはこれ以上なく深く刺さる」、2100年代を舞台にした、問題まみれの家族の物語だ。 とある理由からひらがなだらけの文章で物語が始まるので面食らうのだが、設定開示の順番は心地よく、すぐに作中世界へと入り込んでいくことができる。単行本になる前からゲラが配られたりSFマガジンに全文掲載されたりしていたのでエモいエモいと評判だけは聞いていたのだけど、実際に読んでみたらたしかにこれはエモーショナルな物語だ。しかし、ただ感動させよう、感動さ
『パンクの系譜学』 川上幸之介 四六判、上製、384ページ 定価:本体2,600円+税 ISBN978-4-86385-610-3 C0070 装幀 宇平剛史 パンクとは常に問い、それについて行動を起こすことだ━━。音楽だけでなく、アート、思想、運動の側面からも「パンク」の根源に迫る画期的著作。 労働者階級の若者による現状への怒りからイギリスで生まれたとされるパンク。その叫びのルーツには、アナキズムやコミュニズムといった思想、そしてダダから脈打つ前衛芸術史も刻まれていた。 奴隷制からポピュラー音楽の誕生、その後のフォーク、スキッフル、ガレージ、パンクへの道のりに、シチュアシオニト・インターナショナル、キング・モブといった運動が交差し、セックス・ピストルズ以降に現れたOi!、クラス、ポジティブ・フォース、ライオット・ガール、クィアコア、アフロパンク、アジアのパンクシーン、そして橋の下世界音楽
内 容 学術雑誌の歴史から、科学のあり方を問い直す ——。科学ジャーナルはいつ誕生し、いかにしてその地位を確立したのか。科学者はなぜ論文を投稿するようになったのか。19世紀イギリス・フランスの学協会やメディアを中心に、商業化、オープン化、査読、不正など現代の学術ジャーナルにも通ずる課題の根源を解き明かす。 刊行記念ブックフェア「というわけで、科学史フェア」(丸善名古屋本店 6F) 著者紹介 アレックス・シザール (Alex Csiszar) ハーヴァード大学科学史科教授。本書が初の単著。現在は,次著 Rank and File: From the Literature Search to Algorithmic Judgment(予定)を鋭意執筆中。 (所属等は邦訳初版第1刷発行時のものです) 目 次 序 章 「ばらばらの事実の破片」 第1章 雑誌とアカデミーの判定 オルデンバーグの計画の
人工知能に小説を書かせる試みを描いた『あなたのための物語』や、第三五回日本SF大賞を受賞した短編集『My Humanity』で知られる長谷敏司は、ライトノベルやSFを行き来しながら、意欲的な作品を送り出してきた。 『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』は、実に一〇年ぶりとなるSF長編である。SF、ダンス、介護という三要素が、身体という一点で結び付いていく。 リターンマッチしなければ作家として先へは進めない 人工知能=人間のように考えるコンピューターの研究を進めるうえで、身体性への注目が高まっている。人間は脳だけでなく身体を使って考え、身体をセンサーにして世界を知覚しているからだ。Embodied AI(身体性を有する人工知能)という専門用語も存在する。長谷敏司は最新長編で、その潮流にアプローチすることによって新境地を切り開こうとした……かと思いきや、出発点は意外なものだった。 「2014年に
本書には、バックアップ、アーカイブ、リストア、リトリーブ、それらを行う上で用いられる手法、ソフトウェア、サービス、バックアップとアーカイブを保存する際に使用されるハードウェアなど、データ保護に関して必要な知識が全て詰まっています。この20年間に現れた新技術についても触れ、従来のバックアップから最新のIT技術までそれぞれの良い点と悪い点を理解することができます。「バックアップとアーカイブの違い」「テープがあるべき場所」「Microsoft 365やSalesforceのようなSaaS製品をバックアップすべきか」といったバックアップ業界で議論される多くのテーマにも決着をつけています。データ保護に関する決定を下すための重要な基本概念を学べる1冊です。 訳者まえがき 序文 はじめに 1章 データへのリスク:我々はなぜバックアップするのか 1.1 人災 1.1.1 事故 1.1.2 悪いコード 1.
クラウド上のシステムの安全はどこから手をつければいいのか? AWSのセキュリティ、その考え方と実践 オンプレミス環境中心だったエンタープライズシステムはいまや、クラウド環境への移行が本格化しています。特に、手軽にスモールスタート可能なパブリッククラウドへの移行はすっかり一般的になりましたが、機密性の高いデータを誤って公開してしまったり、適切な設定がされていなかったりと、クラウド環境ならではのセキュリティインシデントが発生するようになってしまったのもまた事実です。 このような現代において、クラウドを主戦場とするシステム管理者/開発者には、従来どおりの、つまり「オンプレミス/クラウド共通の」セキュリティ管理を学ぶことはもちろん、「クラウド特化型の」セキュリティ管理の原則を学ぶことも必須となっています。それは、責任共有モデルなどクラウド固有の考え方を正しく知ることでもあり、同時に、クラウド利用に
本書は、コモンズやデータガバナンス、知識共有、オープン化、知的財産権、パブリックドメイン、デジタルアーカイブ、オープンアクセス等をキーワードに、事例を挙げつつ知識コモンズ研究の展開を捉え、その知見がいかに応用されてきたのかを論じる。情報法や情報政策、図書館情報学に関心のある研究者や実務者、学生に最適の一冊。 はしがき 1章 はじめに―知識コモンズ研究をどうみるか― 1.1 コモンズと知識コモンズ 1.2 知識コモンズ研究の展開 1.3 本書のねらいと構成 第Ⅰ部 知識コモンズ研究の展開 2章 知識コモンズ研究の淵源 2.1 コモンズ研究の出発点 2.2 コモンズ研究の基本概念 2.3 オストロムのコモンズ研究 2.4 小括 3章 知識コモンズ研究の黎明期 3.1 ニューコモンズ研究 3.2 オープンコモンズとしての知識コモンズ研究 3.3 多様化する視点 3.4 小括 4章 知識コモン
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