▼最悪を直視できない心理構造 ▼「参謀依存」のリーダーシップ ▼最も危険な現場の「玉砕思考」 ▼情報が「上がらない、回らない、漏れる」 ▼福島第2原発所長は非情の名将 半藤 このたびは大宅賞受賞、おめでとうございます。 船橋 どうもありがとうございます。 半藤 私もその昔、船橋さんが今回の『カウントダウン・メルトダウン』でおやりになったように、多くの当事者たちに取材をしてひとつの作品にまとめ上げるという仕事をしました。そのいちばん初めが『日本のいちばん長い日』(昭和40年刊)でした。戦争終結までの24時間に、国家の中枢にあった人びとがどう動き、何が起きていたのかを追ったノンフィクションです。 船橋さんの本を読むと、日米の危機対応、組織構造、リーダーシップのあり方の違いなど、あの頃と全く変わってないことに驚かされます。 船橋 まさに日本人が国難をどのように乗り越えようとしたのか、徹底取材をも