クソ忙しい中、寝る間を削って増田俊也さんの「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」を読んだ。ゴン格連載時からちょくちょく読んではおったのだが、単行本で通して読んでみるとこれはやはり堂々たる大著であり、今後柔道史・総合格闘技史を語る上での基準となるべき、極めて重要な書物であった。要するにクソ面白いのである。 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか 作者:増田 俊也新潮社Amazon 柔道史に関して高専柔道と大日本武徳会を大きくとりあげ、講道館中心史観を覆す柔道観を、総合格闘技隆盛の現代からの視点で提示しているのが素晴らしい。しかしこういうことを書いた本は他にもあって、たとえば真神博という人の書いた「ヘーシンクを育てた男」は武専出身の気骨あふれる柔道家、道上伯の生涯を描いて鮮やかだ。「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」が面白かったという人には、是非読んでほしい名著である。読んだ当時の感
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