享年75。 生前に自分でつけた戒名は「立川雲黒斎家元勝手居士」。映画「クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望」とかぶるという声があったが、もちろん談志のほうが先だ。1983年に落語協会を脱退して立川流を興したあたりから、この洒落は口にしていたと記憶している。雲古に関する談志の文章の最高傑作は、弟子である高田文夫と故・景山民夫の共著『あのころ君はバカだった 民夫くんと文夫くん』に寄せられた文庫解説ではないかと思う。機会があったら一読をお薦めしたい。 談志が逝ってしまって、私は寂しい。ニュースを見てからもう10日以上も経つのに、まだ寂しい。仕方のないことである。今、できることとして文章を書く。 私は芸をどうこう言えるほど談志の高座を聴いていないし、演芸評論家の看板を上げているわけでもない。だから一書評ライターの追悼として、今日は談志についての本を紹介しようと思うのである。 よかったら、しばしおつきあ