「先生、これ、おすそ分け。」 先日相馬市に行った際、趣味で畑をやっている、という方に手招きで呼ばれました。 「しばらく畑に行けない間に育っちゃって。」 と、なぜか恥ずかしそうに手渡されたのは、大粒のジャガイモ・玉ねぎ・キュウリが一杯に詰まった10㎏ほどのビニール袋。 「本当にこんなにいただいていいんですか?」 口ではそう言いつつ、既にそのピカピカの野菜をしっかりと抱えている私。そんなやりとりが、収穫時期の風物詩となりつつあります。 数年前までは、 「放射能とか…気にしますか?」 と、こちらの反応を窺ってから物を下さる方も多くありました。昨年あたりから、そんな前置きなしに、ごく自然にいただきものをするようになったように思います。少しずつではありますが、地域での風評が払拭され、本来のお裾分け文化が回復してきた証拠なのかもしれません。 そして、私のようなよそ者にとっては、そんな今と比べて初めて、