「新潟発の日本の伝統的な米菓を80億人に届けたい」 流ちょうな日本語で語るのは、せんべいなどを生産・販売する米菓大手、亀田製菓のジュネジャ・レカ・ラジュ会長(71)だ。 ジュネジャ会長はインド出身。 インドの大学で発酵についてを学び、1984年、その分野で活発な研究が行われていたという日本の大学に留学した。 その後は、日本の食品化学メーカーで研究開発に取り組んだほか、日本の大手製薬会社で副社長も務めた。 グローバル化を目指す前会長の目に止まったのをきっかけに、2020年6月、亀田製菓に入社し副社長に。 そして去年、会長に就任した。 「柿の種だけでなく、たくさんのすばらしい種をもっている。ポテンシャルを感じた」 ジュネジャ会長は入社の理由をそう話す。 日本に暮らしておよそ40年。 取材に訪れたこの日、会長が社員食堂で食べていたのは、焼き鮭とひじきの煮物だった。