きょう11月10日、野田佳彦首相は記者会見を開き、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を表明する見通しだ。民主党内に渦巻く反対論を振り切る形で、野田首相が就任後初めて大きな政治決断を下すことになる。国論を二分する議論に発展したTPPだが、民主党のある大物がこの問題に関して沈黙を守り続けていることにお気づきだろうか。小沢一郎元代表である。なぜ小沢グループに所属する議員の多くが反対を叫ぶTPPへの態度を明らかにしないのか。 全国農業協同組合中央会(JA全中)が11月1日、「TPP交渉参加反対の国会請願」に賛成した国会議員が363人に上り、全国会議員の過半を占めた、と発表した。このリストを見ると、民主党議員は「TPPを慎重に考える会」の山田正彦・前農相をはじめ、小沢グループの議員が多数、名を連ねている。農林票を大きな支持基盤とする議員はともかく、農林水産関係者からほとんど支持を得ていないであろ