航空業界は昨年、大変な偉業を成し遂げた。オランダにある国際機関によると、全世界で発生した死者を伴う航空機事故は10件あり、44人が死亡している。ジェット旅客機の死亡事故はゼロだった。 ▼年間のべ約4000万機の民間機が40億人近い乗客を運んでいることを考えると、驚くべき少ない数字である。ところが、やはり安全が何より求められる医療業界では、状況が大きく異なる。米国で2013年に発表された論文は、医療過誤による年間死亡者数を約40万人と算出していた。 ▼英国のコラムニスト、マシュー・サイド氏は、失敗に対するアプローチの違いだと、説明する。航空機にはすべて「ブラックボックス」が装備されている。ひとたび事故が起これば回収されて、徹底的な分析が行われる。一方の医療業界の特徴は、「調査嫌い」である(『失敗の科学』)。 ▼大阪大学もまた、同じような悪癖に染まっていたようだ。昨年2月に実施した一般入試の物
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