(2012年9月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 近隣諸国に対する中国の攻撃的な姿勢に関し、アジアで不安心理が広がっている兆候は多々ある。 そうした心理がどこよりも強いのが台湾だ。多くの台湾人は中国が、反抗的な一地方と見なす台湾を力ずくで正式に併合するのは時間の問題だと考えている。 不安定さを嫌う逃避資金が日本に流入 直感に反するかもしれないが、日本はアジア地域におけるこうした緊張の高まりから恩恵を受けることになりそうだ。例えば、台湾マネーが最近、日本の不動産市場に流れ込み始めている。こうした資金は、手っ取り早い稼ぎを狙う投機資金ではなく、没収を恐れて安全な避難先を探している逃避資金だ。 東京の不動産会社ラルゴ・コーポレーションの創業者である山本治男社長の下で働くスタッフは、毎月台湾を訪れ、日本の不動産購入に関するセミナーを開いている。一方、ラルゴなど多くの企業が日本人を相手に、「