「自分が死んでから夫がひとりでイギリスに帰る姿を想像したくなかった」と話すサンドラさんは、ひとりでスイスにやってきた(写真/宮下氏提供) 自民党が終末期医療の在り方を規定する新法作成の整理に入った。尊厳死・安楽死について国内の議論が大きく動き出そうとしている──。 脚本家の橋田壽賀子さん(93才)は、昨年刊行した著書『安楽死で死なせて下さい』(文春新書)で、「認知症になったら人に迷惑をかける前にスイスで安楽死したい」と主張した。安楽死を求める日本人が「スイス」という国名を口にするのには理由がある。安楽死を認める国のうち「外国人の受け入れ」を許可するのはスイスだけなのだ。実は、スイスのある団体の統計によれば、この3年間で3人の日本人が現地に渡って安楽死している。 2年の歳月をかけて世界6か国を訪問し、2017年12月に安楽死に関する取材をまとめた『安楽死を遂げるまで』(小学館)を発表したジャ