出土した木簡に書かれた「字垂楊池」の文字=岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター提供 水田の無断耕作を禁じる立て札に使ったとみられる10世紀の木簡が、岩手県奥州市前沢区の道上(どうのうえ)遺跡から出土した、と岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが20日発表した。地名に付く「字(あざ)」が書かれたものとしては国内最古の木簡で、古代に西日本と同様の土地支配が東北地方でも行われていたことが分かったという。兵庫県の袴狭(はかざ)遺跡に次ぐ全国2遺跡3例目の「禁制木簡」でもある。 木簡は珍しい棒状で、長さ約46センチ、直径約4センチ。07年8月に発掘され、解読・保存作業が行われてきた。滑らかに削られた表面に、漢文体で40字以上の文字が6行書かれている。出土状況や理化学分析から、10世紀のものであることが分かった。 同センターの発表では、本文は「禁制田参段之事」(三段=約30アールの水田に関す