たくさん本を読むほどに、井の中の蛙になる。 読書の理由を、「知らない世界を知るために」と言ってるくせに、似たような本しか読まない。ジャンルを絞り、作家を決めて、その中で同じような「物語」を消費する。それは、知らない世界を知る読書ではなく、知ってる世界を確認して安心する自慰にすぎぬ。「わたし」の周りに既読本を積み上げて、その壁の中で王様になる。 それが、わたしだった。 確認読書だから、知識が増えても何も変わらない。「わたし」というフレームに合わないものは、そもそも選ばない。うっかり読んだとしても、フレーム内を通る言葉だけを消費して「読んだ」ことにする。純文から哲学、SFから数学と拡張できるのに、城から出るのが怖くて穴を掘る。古典やマイナーを掘り当てて、王様はますます蛙になる。 そんな読書で、楽しいか? 自問していたとき、カフカの言葉に出会った。「どんな本でも、僕たちの内の凍った海を砕く斧でな
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