「背景を電子的に挿入する、あるいは背景を前景と分けて削除するような映像編集技術“キーイング”のように、さまざまな時代や地理的起源の音楽にちらばったサウンドをすべて同一の作曲フレームに統合できる機能は、歴史的にユニークな転換点となった」- ニューヨークのトランペッター兼作曲家のJon Hassellは『Aka / Darbari / Java』のリリースに際し、そのライナーノーツへこのように記した。このアルバムがリリースされたのは1983年。Hassellが言及する「歴史的にユニークな転換点」とは、デジタルサンプリングの登場を指している。この技術は、当時、彼の新作にあたるアルバムで大々的に活用されていた。当時まだ初期段階にあった技術を導入したアーティストとして異彩を放っていたHassellは、サンプリングの可能性を新たな音楽的方法論として即座に認識していた。 いや、もしかしたら、サンプリング
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