非上場化で次の成長のチャンスを掴めるか─。 2024年8月8日、東証プライム上場の準大手システム開発会社・富士ソフト(坂下智保社長)が株式の非公開化を決めたと発表した。 米投資ファンドのKKRが約5600億円を投じてTOB(株式公開買い付け)を行い買収する。富士ソフトは、このTOBへの賛同を表明、同社株主にも応募を推奨している。今後は9月中旬にTOBを開始、12月頃には臨時株主総会を開催して、非上場となる見通し。ただ、9月3日には同じく米投資ファンドであるベインキャピタルがKKRを上回る約6000億円での買収を提案。これを受けてKKRはTOB開始を早めるなど、先行きが読めない展開となってきている。 富士ソフトは創業者の野澤宏氏が1970年に創業、製造業向けの組み込み・制御システムを強みに成長してきた。同社に対しては22年頃から、シンガポールの投資会社・3Dインベストメント・パートナーズが株