(ケネディとフルシチョフのウィーン会談。1961年。Wikimediaより画像転載。) 前回のエントリに引き続き、本稿も危機管理にまつわるテーマです。 第二次大戦後、人類は幾度かの危機を経験しました。その中には、戦争までエスカレートしてしまったものもあれば、危機で食い止められたものもあります。キューバ危機は戦争を回避することができたという意味では成功例の一つであり、かつ危機としては第二次大戦後最大級のものです。今年はそのキューバ危機から50年。 危機時の強制外交において要求されるのは威嚇と譲歩のバランスであり、双方の意思を確認するための対話(コミュニケーション)が欠かせません。キューバ危機を「危機」のレベルで終わらせることに成功したのは、なるほど幸運によるところも大きかったと言えます。しかし、米ソ両国、とりわけ最高意思決定者であるジョン・F・ケネディとニキータ・フルシチョフの二人が本来の強