アメリカでは妊娠を望む黒人女性が急増しているが、黒人の精子ドナーが圧倒的に不足している。精子バンクに登録する黒人男性は少ない理由、そして精子提供者を必要とする黒人女性が強いられる苦渋の選択とリスクに、米紙「ワシントン・ポスト」が迫った。 精子バンク登録の黒人ドナーは2%未満 リース・ブルックスは毎晩午前1時過ぎ、女性刑務所の看守としての勤務を終えた後、ノートパソコン2台と携帯電話、タブレット端末を開く。そして精子バンクのウェブサイトにアクセスしてくまなく目を通し、タブを何十枚も開けていく。 サイトには何百人もの精子ドナー候補者が表示され、映画スター級の容姿や身長、趣味などを選択できる。しかし、「黒人」や「アフリカ系アメリカ人」でフィルターをかけると、選択肢はあっという間に狭まった。 精子バンクはブルックスに母になるチャンスを与えてくれたが、彼女が望んだものは提供してくれなかった。それは、自