企業全体にしろ、自分が所管する部門であるにしろ、経営を担う立場の人に求められる重要な要素は「リーダーシップ」である。米国の学校では一般に、幼い時から世の中のリーダーになるよう、子供たちは教育される。私も自分の会社を創設し、それを牽引する立場になり、常にリーダーシップの取り方については考えてきた。 これまで私はリーダーシップといえば「率先垂範」、ビジョンを示し、人を引き付け、「自分についてこい」というもののようにとらえていた。私以外にも、そのように考えている方も多いかもしれない。 衝撃を受けた1冊の本 キアーラ・フルゴーニの著書『アッシジのフランチェスコ』(日本語版は白水社から発売)は、13世紀にイタリアに誕生した聖人フランチェスコの生涯を描いた伝記だ。この本を読んで、私は「リーダーシップ」を発揮する方法は、ほかにもあるのではないかと考えるようになった。 著書に紹介されているのは、主人公フラ