ロシア・ウクライナ戦争の深刻さが増している。そのニュースを見ながら、日本では頓珍漢な議論が横行している。 おそらく危機になればなるほど、日本社会に根差した平時の思考では対応できなくなる。それを率直にふまえた上で、冷静な情勢分析や、重要な判断の検討をするのが、当然であるはずだ。ところが「もうこういうややこしいことは終わりにしてほしい」というお茶の間のテレビ視聴者の要望に応えようとする文化人などが、小学校あたりで習ったかのような紋切り型の世界観を振り回して、「こうしろ、ああしろ」、という独断に満ち満ちた説教をするので、話はややこしくなる。 紋切り型の第一は、「侵略者が来たら降伏しよう」論である。降伏さえすれば、世界の問題は全て解決する、といった話は、全く現実とかけ離れている。ところが日本では、憲法学者の書いた教科書に書いてあるだけでなく、学校教育などにも相当入り込んでいるので、厄介である。 個
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