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ブックマーク / 1000ya.isis.ne.jp (5)

  • 松岡正剛の千夜千冊

    先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、

    松岡正剛の千夜千冊
  • 1377 夜 | 松岡正剛の千夜千冊

    モモが住む廃墟のような円形劇場。 そこへやってくる時間銀行御用達の灰色の男たち。 このお話は凄腕の時間泥棒の暴挙を 可愛いいけれども果敢なモモが すっかり退治しました、というお話ではない。 ニンゲン来の時間を ついに取り戻しましたというお話でもない。 お金を銀行に預けておくと、 利子が利子を生むということを告発した物語だった。 いやエンデは、その多くの作品で 貨幣経済社会を問題にしてきたのである。 これから数夜にわたって、 エンデの物語とその遺言を少しく案内したい。 読書には「ドッキ」というものがある。ドッキは「読機」だ。そのをいつ読んだのかということ、いつ通過したのかということ、そこにそのとわれわれのあいだにひそむドッキがある。 ドッキは容易には掴めない。だからドッキなのである。念のために言っておくが、果物に旬があるようにそのに旬があるのではない。そんなものはない。どんなもその

    1377 夜 | 松岡正剛の千夜千冊
    manboubird
    manboubird 2022/10/11
    momo
  • 1512夜 『バガヴァッド・ギーター』 − 松岡正剛の千夜千冊

    【古典としてのバガヴァッド・ギーター】 歳のせいか、最近は古典に立ち返ることが多くなった。近代以降の表現性と古典の表現性とは何が違って見えるかというと、古典の多くは今ふうにいえば「説教じみている」ということに尽きる。だから、何かを諭されているような気分になるため、若いうちは古典になじめない。 もうひとつ、古典に特長的なことがある。それはどんなコンテンツやメッセージも複合的な物語と一緒にあるということで、それもたいていは神々の世代の物語とつながっているという特長だ。そのため物語だけでなく、メッセージもまたきわめて複雑に感じられる。これも今日の読者にはうんざりするところだろう。あるいは太刀打ちできないと感じるだろう。 けれども神々の物語を含んだ古典を読んでいると、何度も何度も愕然とさせられる。ぼくの経験でいっても30代のころに悩んだ大半の問題がとっくに取り扱われていたのだということが、ずばずば

    1512夜 『バガヴァッド・ギーター』 − 松岡正剛の千夜千冊
    manboubird
    manboubird 2022/05/14
    バガヴァッド・ギーター 岩波文庫 1992
  • 1586夜 『ネット・バカ/オートメーション・バカ』 ニコラス・G・カー − 松岡正剛の千夜千冊

    2013年のTEDカンファレンスでのセルゲイ・ブリンのトークは、わざとらしかった。 グーグル社の二人の創業者のうちで、いつも居心地が悪そうな顔付きを見せるこの男は(ジーンズを穿いたITベンチャーのトップたちはたいていそんな面倒くさそうな空気をつくるのが得意なのだが)、発表まもないグーグルグラスの宣伝をするのに、その引き合いに「スマートフォンを使うのって、ある種の去勢でしょ」と言ったのだ。ついで、「立ったままこの味気ないガラスをこすっていると、ほら、みんな孤立するばかりか、世界に対する感覚的なかかわりまで弱まってしまうよね」と付け加えた。 スマホはいうまでもなく、グーグルがアンドロイド・システムで主流に押し上げたデバイスである。それを自嘲的に槍玉にあげて去勢扱いするという嫌味なジョークで(勝ち組がこの手の口調が好きなのだが)、グーグルグラスを使えば情報は向こうから適確にやってきて、めんどうな

    1586夜 『ネット・バカ/オートメーション・バカ』 ニコラス・G・カー − 松岡正剛の千夜千冊
  • 1296 夜 | 松岡正剛の千夜千冊

    理解の秘密 マジカル・インストラクション リチャード・ワーマン NTT出版 1993 Richard Saul Wurman Instruction Anxiety 1993 [訳]松岡正剛/訳:杉俊雄・前田啓子 知識と情報。予測と戦略。仕事と市場。 編集とデザイン。説明と納得。理解の秘密。 80年代、これらを一緒に語れる者がいなかった。 そこに一陣の風を吹かせたのが リチャード・ワーマンだった。 アンダースタンディング・ビジネスを提唱し、 新たなソーシャル・キャピタルが 「理解」にこそあることを早くに指摘した男だ。 ぼくにとっても、ワーマンは懐かしい師であった。 いま、約15年ほど前の書を紹介するのは、 今日こそインストラクション能力が 日社会に蘇生するべきだと思うからである。 世界の半分はインストラクションで成り立っている。これがワーマンの口癖だった。ということはコミュニケーショ

    1296 夜 | 松岡正剛の千夜千冊
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