NHKの元キャスター・国谷裕子氏と「SDGsプロジェクト」に取り組んできた朝日新聞の二人の記者が、最新の取材も交えてリポートします! 近年、ファストファッションをはじめ、流行を取り入れて品質も問題ない服が、低価格で購入できるようになりました。私たちが気軽に楽しんでいるこの服がどうして安く買えるのかご存じでしょうか。コストを抑えるために服の生産現場では、低賃金での長時間労働、さらに、廃棄することを前提とした大量生産が続けられてきました。現在日本では1年間に10億枚の新品の服が一度も着られないまま捨てられています。 アパレル業界の労働の実態や構造の問題はこれまでなかなか問題視されてきませんでしたが、2013年に起きたバングラデシュでのラナプラザ事件や日本での技能実習生をめぐる報道などをきっかけに、少しずつ知られるようにもなってきました。また、私たち消費者自身もこの安さは誰かの犠牲の上で成り立っ