雇い止めの撤回を求め、ストライキをする理化学研究所の研究者ら=2023年3月29日午後2時1分、埼玉県和光市、玉木祥子撮影 理化学研究所のチームリーダーだった40代の男性はここ数年、追いつめられていた。 自分も「雇い止め」の対象になるのではないか――。 【写真】3月まで東大の助教だった男性。「私は使い捨てされた」とため息をついた 男性は工学の技術をバイオの分野に応用する研究を担っていた。1年契約の有期雇用だったが、理研では一定の評価が得られれば、翌年も契約が更新される。男性は毎年、高い評価をもらっていた。 国内外の専門誌に次々と論文を発表し、その数は100本を超えた。新聞やテレビにもたびたび取り上げられ、学会の賞もたくさん受賞した。 だが2016年に風向きが変わった。 理研は就業規則に新たなルールを設け、13年度を起点に、通算10年を超える研究者とは契約をしないとした。 それでも男性は、「