小川真示 NEC 第一OMCS事業部 事業部長 上席プロジェクトオーガナイザ,中出勝宏 NEC OMCS事業本部 統括マネージャー 移行計画が重要なことを疑う人はいないだろう。移行計画書を作成すること自体は,もはや当たり前と言ってよい。だが筆者らは,問題があると感じる移行計画書の話をよく見聞きする。 何が問題か―。それは「作るのが遅い」「記述が足りない」「精度が甘い」ということだ。 詳細設計の前には用意する ある客先では,こんな失敗談について意見を求められた。そのシステム担当者は,新システムの詳細設計が終わったところで移行計画書を作成した。データベース仕様が決まらないと,移行ツールの仕様が固まらないと考えたからだ。ところが,詳細設計が終わると開発者の大半が新システムのプログラミングに忙殺されるようになり,移行ツールの開発は後回しにされた。本番間際にようやく出来上がったものの,データを正しく