タグ

内田樹に関するmasato611のブックマーク (24)

  • 半分あきらめて生きる - 内田樹の研究室

    半分あきらめて生きる 「半分あきらめて生きる」という不思議なお題を頂いた。「あるがままの自己を肯定し、受け入れるためには、上手にあきらめることも必要なのでは。閉塞感漂う現代社会でどう生きていけばいいのか」という寄稿依頼の趣旨が付されていた。 『児童心理』という媒体からのご依頼であるから、不適切な(過大な)自己評価をしている子供たちの自己評価を下方修正させることの効用と、そのための実践的な手順についてのお訊ねなのであろうと思った。 なぜ私にそのような原稿発注があったかというと、ずいぶん前に学校教育について論じた中で、「教師のたいせつな仕事のひとつは子供たちの過大な自己評価を適正なレベルにまで下方修正することにある」と書いたことがあるからである。これはたしかにほんとうの話で、「宇宙飛行士になる」とか「アイドルになる」とか「サッカー選手になる」とかいうことを「将来の夢」として小学生が卒業文集に書

    masato611
    masato611 2014/05/14
    彼らはたしかに何かを「あきらめている」のだが、それは地平線の遠くに「どんなことがあっても、あきらめてはいけないもの」を望見しているからである。
  • 人には殆んど無限の可能性があるが、それほど無限ではないのでゲームの特性を見極めたい - 太陽がまぶしかったから

    photo by Beppie Van Smirren 人には殆んど無限の可能性があるが、それほど無限ではない 「人には殆ど無限の可能性があるが、それほど無限ではない」と内田樹さんが『疲れすぎて眠れぬ夜のために (角川文庫)』で書いていますが、この警句は昨今の「努力と才能論」からも思い出されてきます。 三十路も超えてくれば先の事は朧気ながらも見えてきますし、この瞬間瞬間にもそこに確率収束していく感覚もあります。なにかをするには時間と能力というリソースの絶対量が必要となります。お金はこれをブーストするために利用できますが、効果に応じて指数的に高価になっていくため結果としてそこまで大きな違いがでてきません。人間には寿命がある以上、できる事は徐々に減っていくのです。 ただし、その性質には違いがあります。例えば、サイコロの6面を10回出せば100万円というゲームがあったとしましょう。麻雀漫画などに

    人には殆んど無限の可能性があるが、それほど無限ではないのでゲームの特性を見極めたい - 太陽がまぶしかったから
    masato611
    masato611 2013/10/29
    努力より才能が、才能より努力がと言うのは自由ですが、そもそも自分がこれからやるゲームはどういう性質なのかという事を見極めてから攻略法を考えないと徒労になってしまうように思われます。能力を上げるよりも試
  • 内田樹教授の寄稿「壊れゆく日本という国」について一言 Tsugami Toshiya's Blog

    十分に推敲できていませんが、これはちょっと一言言わせてもらいたい。 5月8日付けの朝日新聞オピニオン欄に神戸女学院大学の内田樹名誉教授が「(寄稿 政治を話そう)壊れゆく日という国」と題する寄稿をしている。内田氏の文章は嫌いではないが、この寄稿についてだけは、一言言いたい。 グローバリゼーションへの評価が一方的すぎる 貿易や投資の障壁を多角的に削減する自由貿易の取り組みが世界経済を成長させてきたことは事実である。その障壁の除去、冷戦の終結に伴う国際貿易投資参加国の拡大、製造業、輸送、通信、金融面の技術革新などがグローバリゼーションの現象を生んだ。そのおかげで、世界中の途上国で何億人もが貧困や病気、無就学といった悲惨から解放されている「正の側面」はいっさい評価されないのだろうか? 或いは、内田氏はグローバリゼーションというより、その根底にある自由貿易や市場経済原理を信じられないのかもしれな

    masato611
    masato611 2013/05/14
    貿易や投資の障壁を多角的に削減する自由貿易の取り組みが世界経済を成長させてきたことは事実である。
  • BLOGOS サービス終了のお知らせ

    平素は株式会社ライブドアのサービスを ご利用いただきありがとうございます。 提言型ニュースサイト「BLOGOS」は、 2022年5月31日をもちまして、 サービスの提供を終了いたしました。 一部のオリジナル記事につきましては、 livedoorニュース内の 「BLOGOSの記事一覧」からご覧いただけます。 長らくご利用いただき、ありがとうございました。 サービス終了に関するお問い合わせは、 下記までお願いいたします。 お問い合わせ ※カテゴリは、「その他のお問い合わせ」を選択して下さい。

    BLOGOS サービス終了のお知らせ
    masato611
    masato611 2013/05/13
    大企業は軒並み「グローバル企業化」したかする。株式会社のロジックとしてその選択は合理的。だが企業のグローバル化を国民国家の政府が国民を犠牲にしてまで支援するというのは筋目が違う
  • 内田樹の研究室: うなぎくん、小説を救う

    2024 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 2023 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2022 1月 - janvier 2月 - février 3月 - mars 4月 - avril 5月 - mai 6月 - juin 7月 - juillet 8月 - août 9月 - septembre 10月 - octobre 11月 - novembre 12月 - décembre 2021 1月 - janvier 2月 - février 3月

    masato611
    masato611 2012/08/08
    世の中には、「その気になれる人間」と「その気になれない人間」がおり、この差異は個人の資質というよりも、社会的条件(階層差)に深くリンクしている。苅谷さんは「学習意欲」(インセンティヴ)そのものが学習に
  • 「学力と階層」解説 - 内田樹の研究室

    苅谷剛彦さんの『学力と階層』が朝日文庫から文庫化されて出た。その解説を書いた。 苅谷さんの「意欲格差」や「学習資」というアイディアに私はつよい影響を受けており、『下流志向』や『街場の教育論』で展開した考想は苅谷さんの『階層化日教育危機』がなければ書かれなかったはずのものである。 その感謝をこめて書いた解説である。とりあえずこれを読んでから、書店に走ってください。 最初に読んだ苅谷剛彦さんのは『階層化日教育危機』で、その頁を開いたのは、講演のために東京から千葉に向かう総武線の車内でのことだった。手に赤鉛筆を持って、傍線を引きながら読み進んだ。しだいに赤線が増えてきて、ついに一頁全体が真っ赤になったころに、降りる駅についた。を閉じるときに、文字通り「後ろ髪を引かれる」思いがしたことを、駅前の寒空とともに身体がまだ記憶している。 日教育危機の実相について、私の現場の実感とこれほ

    masato611
    masato611 2012/08/08
    努力する能力は子どもたちの出身階層に深く影響される。階層上位の家庭の子どもたちは、「努力する」ことの意味と効用を信じ、努力することによって現に社会的成功を収めた人々に取り囲まれている。
  • 同一労働最低賃金の法則について - 内田樹の研究室

    自治労のセミナーで「橋下政治について」のシンポジウムに招かれた。 コーディネイターはTBSの金平茂紀さん。パネラーは香山リカ、湯浅誠のご両人と私。 個別的な政策の適否や政治手法については、もう多くの人が語っているので、屋上屋を重ねることもない。 まだ、この政治現象について「誰も言っていないこと」を言わないと、せっかく日帰り東京ツァーに出た甲斐がない。 私は「海外メディアは橋下徹と大阪維新の会をどう見ているか」というところから始めた。 私はフランスの『リベラシオン』の電子版で定期的に「フランスのメディアは日での出来事をどう見ているか」をチェックしているが、『リベラシオン』にはキーワード「hashimoto」でも「maire d’Osaka」でも記事は存在しなかった。 『ル・モンド』には「大阪のポピュリスト市長が既成政党と官僚に全方位的に攻撃を加えている」という記事があったが、日におけるこ

    masato611
    masato611 2012/07/27
    日本の労働者の絶対的な貧困化はグローバル企業にとって「好ましいこと」なのである。もちろん、貧しい労働者は消費活動がきわめて消極的なので、日本国民のほとんどが下層に固定化された段階で内需は壊滅するが、と
  • 仕事力について - 内田樹の研究室

    4月に一ヶ月間、毎週一度朝日新聞の求人欄の上のコラムに「仕事力」というエッセイを連載しました。いつもの話ですけれど、就活する学生たちに対して言いたいことをわりとコンパクトにまとめてあるので、そういう立場にいる方はぜひご一読ください。 自分の適性に合った仕事に就くべきだと当たり前のように言われていますが、「適職」などというものがほんとうにあるのでしょうか。 僕は懐疑的です。 「キャリア教育」の名のもとに、大学2年生から就活指導が始まり、その最初に適性検査を受けさせられます。 これがいったい何の役に立つのか、僕にはまったくわかりません。 大学で教えている頃に、ゼミの学生が適性検査の結果が出たのだが、と困惑してやってきたことがありました。 「あなたの適職は1位キャビンアテンダント、2位犬のトリマーと出たんですけど、私は一体何になればいいのでしょう?」 就職情報産業は学生たちを、自分には「これしか

    masato611
    masato611 2012/05/02
    「どんな相手と結婚しても、そこそこ幸福になれる人」は「理想の配偶者以外は受け付けられない人」より市民的成熟度が高いと僕は思います。「学びたいことがあります。教えて下さい。お願いします」という文になりま
  • ポスト・グローバリズムの世界、あるいは「縮みゆく共同体」 - 内田樹の研究室

    アメリカの最近の国勢調査で、白人の人口が2歳時以下の幼児の過半数を割った。 ヒスパニック系(16.3%)がアフリカ系(12/6%)を抜いて、マイノリティの最大集団になった。 ヒスパニックは出生率2.3で、白人を0・5ポイント上回っている。 アメリカにおいて白人が少数民族になる時代が近づいている。 ヒスパニックは英語を解さないスペイン語話者を多く含む。 都市の黒人たちはすでに「エボニクス」という、英語と文法も語彙も違う独特の言語を有している。 「社内公用語は英語とする」というような「守旧派的」な雇用条件を課す企業がアメリカ国内に出現してくるのも、こうなると時間の問題である。 これを文化の多様化と言って言祝ぐ人もいるかも知れない。だが、国民国家が共通言語を喪失するという事態は「多様化」というよりはむしろ「分裂」と呼ぶ方がふさわしいだろう。 アメリカは国家としての統合軸を失いつつある。 植民地時

    masato611
    masato611 2012/01/28
    ポスト・グローバリズムの世界は、「縮む世界」となる。
  • 内田樹の研究室

    ローカリズム宣言 地方移住のための情報誌「TURNS」で2年間ほど連載していたインタビューを採録しました。グローバル資主義の終焉、少子高齢化による過疎化と限界集落化という現実を踏まえて、「地方移住・帰農・山河の回復」というオルタナティブについて提言をしております。 昨日うかがった話では、地方移住支援のためのある NPO の窓口を訪れた人は去年一年で 25,000 人、10 年前の 10 倍にのぼるそうです。半数以上が 20 代 30 代とのこと。 この趨勢はもう止まることがないでしょう。 デコ/2017-12-07 変調「日の古典」講義 安田登さんと二人であちこちで行った対談の集成。話題は『論語』から能楽まで多岐にわたります。安田さんが何か驚くべきことを言うとこちらも負けじとさらに驚くべきことを言い、安田さんがそのような挑発を受け流すはずもなく、さらに驚くべき話で切り返す・・・という悪

    masato611
    masato611 2012/01/27
    ポスト・グローバリズムの世界は、「縮む世界」となる。
  • 困難な時代を生きる君たちへ - 内田樹の研究室

    神戸新聞の元日配達号に「中高生のために」一文を草して欲しいと頼まれた。 困難な時代を生きる君たちへというタイトルを頂いた。 神戸新聞購読者以外の方の眼には止まらなかったものなので、ここに再録する。 みなさんがこれから生きて行く時代はたいへんに困難なものとなります。 戦争に巻き込まれるとか、大災害に襲われるとかいうことではありません。そうではなくて、みなさんがこれから幸福な人生を送るために、どういう努力したらいいのか、その「やりかた」がよくわからないということです。 まじめに受験勉強をして、いい大学を出て、一流企業に就職したり資格や免状を手にすれば、あとは生計について心配はしなくてよいというような「人生設計」を立てることがむずかしくなった。 ただし、「むずかしくなった」だけで、まるで不可能になったわけではありません。そこがむしろ問題なんです。受験勉強なんか無駄、学歴なんか無意味、資格や免状も

    masato611
    masato611 2012/01/10
    どんな学問や仕事を選ぶにしても「努力することそれ自体が楽しい」ことを基準にして下さい。
  • 選書しました - 内田樹の研究室

    技術評論社の安藤さんから「若い読者のための選書60冊」を頼まれた。 屋さんで『最終講義』の刊行イベントとして、お薦めのを選んで、それを並べて、あわせて買って頂こうという趣旨のものである。 を選ぶのはたのしい仕事なので、さくさくと60冊選んだ。 もうフェアは終わってしまい、「どんなを選んだのか知りたい」という人からメールがあったので、ご参考のために掲げるのである。 こんなのでした。 「日および日人論」として読むべき(35) 『福翁自伝』(福沢諭吉) 『明治十年 丁丑公論・痩我慢の説』(福沢諭吉) 『氷川清話』(勝海舟) 『柳北奇文』(成島柳北) 『勝海舟』(子母沢寛) 『竜馬がゆく』(司馬遼太郎) 『坂の上の雲』(司馬遼太郎) 『ある明治人の記録-会津人柴五郎の遺書』(石光真人) 『澁江抽斎』(森鴎外) 『断腸亭日乗』(永井荷風) 『「坊っちゃん」の時代』(関川夏央・谷口ジロー

    masato611
    masato611 2011/09/30
    1851年のルイ・ボナパルトのクーデタをリアルタイムで分析したマルクスの著作です。「ジャーナリストとしてのマルクス」の天才性が堪能できます。
  • 世界をあるがままに見るということ | isologue

    内田樹さんの記事「ネット上の発言の劣化について」を拝読しました。 現在のネットはJUNETの頃のように学者の方々などだけが利用しているわけではないので、その当時に比べて平均的なテキストのクオリティが劣化したかといえば、その通りだとは思います。 しかし私は、この現象は「劣化」ではなく、ツイッターをはじめとするソーシャルメディアなどで、「世界のあるがままの実態」が見えて来ているということではないかと考えています。 例えれば、今まで「きれいだなー」と思って見ていた花壇の石を裏返してみたら、ちっちゃな虫達がゾワワワワと存在した、みたいな。さらに脇のドブの水を顕微鏡で見てみると、見た事もないような微生物がたくさんいました、みたいな。 そういう、ちっちゃな虫や微生物は、観察することで急に発生したわけではなく、今までもちゃんと存在していたわけです。それと同様に、ネットでの妬みやひがみなどを含んだネガティ

    世界をあるがままに見るということ | isologue
    masato611
    masato611 2011/08/03
    「発言の劣化」と「膨大な知へのアクセス」は、正反対のものに見えるかも知れませんが、両方とも「世界のあるがままの姿」が徐々に見えてきているという現象を、違う側面から見ただけのことではないかと思います
  • 暴言と知性について - 内田樹の研究室

    復興相が知事たちに対する「暴言」で、就任後わずかで大臣を辞任することになった。 この発言をめぐる報道やネット上の発言を徴して、すこし思うことがあるので、それについて書きたいと思う。 松大臣が知事に対して言ったことは、そのコンテンツだけをみるなら、ご人も言い募っていたように「問題はなかった」もののように思われる。 Youtube で見ると、彼は復興事業は地方自治体の自助努力が必要であり、それを怠ってはならないということを述べ、しかるのちに「来客を迎えるときの一般的儀礼」について述べた。 仮に日語を解さない人々がテロップに訳文だけ出た画面を見たら、「どうして、この発言で、大臣が辞任しなければならないのか、よくわからない」という印象を抱いたであろう。 傲慢さが尋常でなかったから、その点には気づいたかもしれないが、「態度が大きい」ということは別に政治家が公務を辞職しなければならないような

    masato611
    masato611 2011/07/06
    コミュニケーションを順調に推移させるためには、「相手が自分の言うことを理解できるまで、知的パフォーマンスを向上させるためにはどうすればいいのか?」という問いが最優先
  • 残留率と楽観主義 - 内田樹の研究室

    入試業務で毎日出校。 入試部長というのが、これほど打ち合わせと会議の多い仕事だとは思わなかった。 これがあと一年続くと思うとうんざりするが、これもあと一年で終わると思うと気持ちが軽くなる。 ものが考えようである。 つねづね申し上げている通り、なんでも「カウントダウン」にするというのが私の年来の流儀である。 カウントダウンすると、どうでもいいような日々のできごとが「かけがえのないもの」に思えてくるからである。 これでおしまい、二度とないと思うと、わずか10分で終わるセンター利用入試の合否判定教授会のために土曜日に稽古を休んで出校するのもまた楽しからずや(負け惜しみ)。 これまでのところ学の今年度入試の出願状況は堅調である。 周辺校が軒並み60−80%台で前年比割れをしているなかで、前年比99.7%というのは、たいへんよい数字である。 今年どこの大学も志願者を減らしたのは、不況のせいである。

    masato611
    masato611 2010/02/14
    個々の効果は微々たるものであるが、塵も積もれば山となると俚諺に言うように、楽観的な人間が多数派を占める集団は悲観的な人間ばかりで構成されている集団よりも危機を生き延びる確率が高いのである。
  • Twitter と自殺について - 内田樹の研究室

    一般入試 CD 日程。 AB 日程というのが1月29日30日にあって、その合否発表のあとに、2週間ほどおいて次の入試がある。 2月あたまが私学の一般入試の集中時期である。 そのときの合否の発表がもうほぼ終わっている。 2月中旬に行われるこの CD 日程は、さきに第一志望校の受験に失敗した受験生たちの「敗者復活戦」である。 すでに第一次志望校に合格したものは、出願はしたが、実際に受験には来ない。 だから、試験場の座席はけっこう「歯抜け」状態になるのがふつうである。 今年はその「歯抜け度」が小さい。 入学センターの諸君とこの「歯抜け度」の意味について考える。 あれこれ考えたが、やっぱりよくわからない。 この事態を説明する可能性として、いちばん妥当なのは、上位校が合格者を絞り込んできたせいで、現段階でまだ合格通知を手にしていない受験生がかなり多数残っていて、かつ学が「抑え」としてそれなりに高い

    masato611
    masato611 2010/02/14
    社会成員たちの相互支援以外に私たちの社会を「生きるに値する」ものにする確実なソリューションは存在しない
  • 配偶者の条件 - 内田樹の研究室

    金曜日。朝、記念賞授賞式。うちの黒田くんが賞をもらったので、お祝いに行く。 大野篤一郎名誉教授による「セネカの幸福論」という講演がある。 ひさしぶりの大野先生のお話を聴く。 どこから始まりどこに行くのかわからない哲学的知性の遊弋。 忘れられかけた「古き良き大学」の空気が大野先生の笑顔から感じられる。 基礎ゼミでは「友人と恋人はどう違うか?」というお題。 おもしろい主題である。 これについては私見があるので、それを述べる。 「友を選ばば書を読みて、六分の侠気、四分の熱」という詩章がある。 知性、気づかい、向上心というようなものが友人を選ぶときの条件であるよということである。 では、配偶者の条件は何か。 与謝野鉄幹のこの「人を恋ふる歌」は広く人口に膾炙した「をめとらば才たけて、みめうるわしく、情けある」で始まる(男性配偶者の条件については言及していないが、同列に論じてよい)。 はたしてこれは

    masato611
    masato611 2010/02/02
    性的配偶者の選好基準についてひとりひとりに「乱数表」がばらまかれており、「蓼食う虫も好きずき」ということになっている。多くの人の羨望の対象であるということは、あなたの「替え」はいくらでもいる、というこ
  • そんなことを訊かれても - 内田樹の研究室

    仕事始めに取材がふたつ。 太田出版の『atプラス』という雑誌と、『週刊プレイボーイ』。 媒体は違うが、たぶんどちらも対象としている読者の世代は同じくらい。 20代後半から30代、いわゆる「ロスジェネ」世代とそれよりちょと下のみなさんである。 生きる方向が見えないで困惑している若い諸君に指南力のあるメッセージを、というご依頼である。 『atプラス』の方はかなり学術的な媒体なので、「交換経済から贈与経済へ」という大ネタでお話しをする。 「クレヴァーな交換者から、ファンタスティックな贈与者へ」という自己形成モデルのおおきなシフトが始まっているという大嘘をつく。 もちろん、そのようなシフトは局所的には始まっている。 けれども、まだまだ顕微鏡的レベルの現象である。 それを「趨勢」たらしめるためには、「これがトレンディでっせ」という予言的な法螺を吹かねばならぬのである。 めんどうだが、そういう仕事を電

    masato611
    masato611 2010/01/09
    正解は誰も知らないし、誰も教えてくれない」ということを切実に受け止め、それゆえ自分の判断力と感覚を信じて生きる人間たちは生き残り、「どうすればいいんでしょう?」とぼんやり口を開けて、「正解」を教えてく
  • 「おせっかいな人」の孤独 - 内田樹の研究室

    鹿児島に行った話を書き忘れていた。 鹿児島大学におつとめの旧友ヤナガワ先生に呼ばれて、鹿児島大学が採択された教育GPの一環として、キャリア教育について一席おうかがいしたのである。 キャリア教育については、もし「労働のモチベーション」をほんとうに上げようと望むなら、「自己利益の追求」という動機を強化しても得るところはない、と私は考えている。 その話をする。 これについては、『潮』と『新潮45』の近刊にも書いているので、繰り返しになるが、私はこう考えている。 「仕事」には「私の仕事」と「あなたの仕事」のほかに「誰の仕事でもない仕事」というものがある。そして、「誰の仕事でもない仕事は私の仕事である」という考え方をする人のことを「働くモチベーションがある人」と呼ぶのである。 道ばたに空き缶が落ちている。 誰が捨てたかしらないけれど、これを拾って、自前のゴミ袋に入れて、「缶・びんのゴミの日」に出すの

    masato611
    masato611 2008/12/22
    それは私が「ついゴミを拾ってしまう」人間だからである。私のような人間ばかりであると、社会はどれほど制度設計がろくでもないものであっても「けっこう住みやすく」なってしまう。
  • 若者はなぜうまく働けないのか? (内田樹の研究室)

    CIRCUSという雑誌の取材がある。 お題は「どうして若者はうまく働くことができないのか?」 一方に引きこもったまま労働しない若者がおり、一方に過労で倒れそうな若者がいる。 いずれも「うまく働いている」わけではない。 どうしてなのか。 たしかに「どうしてなんでしょう」と訊きたくなる気もわかる。 お答えしよう。 これは複数のファクターの総合的な効果であるから、単一の原因を探してもダメである。 第一は働く個人の側の問題である。 『下流志向』で分析したように、労働を経済合理性の枠内でとらえると、労働者は自分の労働の成果に対して、「等価の」報酬が、「遅滞なく」、「固有名宛て」に給付されることを望む。 学生たちが知っている「work」の経験はさしあたり受験勉強と就活だけであるが、それはまさに、努力に対する報酬(成績や合否採否)が(成績発表、内定通知の日に)「遅滞なく」、努力にふさわしい評価として、固

    masato611
    masato611 2007/07/02
    労働は本質的に集団の営みであり、努力の成果が正確に個人宛に報酬として戻されるということは起こらない。