少し前、ある著名なFPの方とお話する機会に恵まれたのだが、そのときに行動ファイナンス的発想というか、「経済合理性だけでは動かない消費者の心理を理解することの重要性」といった趣旨のことを伺った。 金融商品は損得勘定が非常に分かりやすいので、つい商品設計を考える上ではもっぱら経済合理性のみで考えてしまいがちである(「いい」商品が、売れるはず)。しかし、実際には金融商品も一消費財である以上、その商品がどのように受け止められるか、買われる方がどのような心理でそれを受け入れるのか、が重要になってくる。 その手の代表格が、「ボーナス特約」などがついた保険商品である。「3年間保険を使わなかったら、10万円が戻ってくる!」と言われると、非常におトク感があるし、自分も入りたくなってしまう。しかし、その仕組みを考えると、実際には最初から10万円(×発生確率で調整)を多く払い込んで、それを返してもらっているに過