前回に引き続き,文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の平成19年度の中間まとめ(注1)について,検討を加えていきます。今回は,中間まとめの第4節にある「検索エンジンの法制上の課題について」を取り上げます。 検索エンジン(ディレクトリ型でなくロボット型を念頭に置く。以下同)は,ネット上の情報を収集し,検索対象のデータ(インデックス)を作成・蓄積します。また,検索結果を表示するためのデータ(サムネイル画像等)もあわせて作成しています。従って,検索ロボットによるインデックスの作成・蓄積には,「複製行為」が伴うことになります。 ネット上の情報が著作物でなければ,「複製行為」があっても,著作権法上の問題はありません。しかし,大多数の情報が著作物であるという現状からすると,「検索エンジン自体が著作権法に違反するのではないか」という疑問は当然出てきます。 中間まとめでは,まず,諸外国の対応を概観してい
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