◆賃金格差を解消した広島電鉄の試みが注目されています。 ◇契約社員を正規雇用 一部賃下げ/定年延長で生涯賃金増 広島県内で路面電車や路線バスを運行する広島電鉄(本社・広島市、約1300人)は昨年10月、契約社員150人の正社員化を実施し賃金体系を一本化した。一部ベテラン社員は賃下げとなったが、同じ職場で働く人たちの賃金格差を解消した試みとして注目されている。 バス運転手、中川良二さん(29)は08年4月に契約社員として入社。基本給は22万6000円。雇用契約は1年更新で、ボーナスは正社員の約半分。正社員に支払われる経験・年齢給や退職金はなかった。 正社員となった新しい賃金表では、基本給は21万円に下がったものの、無事故手当など各種手当がつくため、月々の手取りはほとんど変わらない。ボーナスが倍以上に増えたため、年収は40万~50万円のアップとなる見込みだ。中川さんは昨年初めに結婚したばかり。