経済観測：一刻の猶予もない＝農業ジャーナリスト・青山浩子 - 毎日ｊｐ(毎日新聞)福島県を訪ね、農家がおかれている厳しい現状を聞いた。 福島第１原発から５０キロ程度離れている郡山市でカイワレやミョウガを生産する降矢農園は、「福島産」という理由で、売り上げが震災前に比べ９０％減った。それでも買ってくれる１０％のために生産を続けている。種苗費や人件費などの支払いは、銀行からの借り入れを充てている。 降矢セツ子取締役は「本気で廃業を考える時もあった」と話す。だが農園の給与で生計を立てているスタッフのことを考え、とどまっている。１９９６年に起きたＯ１５７による食中毒の原因がカイワレとされた時も苦境に立たされた。「あの時以上に今回は深刻。震災の影響は私たちの次の代にも及ぶ。それでも前向きに挑みます」と言う。 やはり同市でナメコ、枝豆などを生産する鈴木農園も売り上げが半減した。枝豆の出荷前には自主的に放射性物質検査を実施し、「不検出」という結果も添付している。ところが懇意にしていた
