「犯人が逮捕され、ようやくほっとできる」。 この産経の記事は、このような書き出しで始まっています。 決定的な物証もなく、被疑者も否認している現段階で、逮捕された被疑者が犯人であるということを当然の前提とする地元住民の声を脳天気に報道しています。 これは二つの意味において危険です。 一つは、逮捕された容疑者が真犯人である可能性自体に疑問が少なからずあるということ。 もし、真犯人でなければ、地域の現実的脅威はまだ取り除かれていません。 もう一つは、逮捕された人=真犯人 という図式を報道機関が助長していること。 別のニュースではさんざん物証がないなどと言っておきながら、このニュースでは手のひらを返したような旧態依然の報道姿勢です。 裁判員制度の施行を間近に控えているのに、犯罪報道の問題性に自覚がなさ過ぎるように思われます。