固定的人間関係原理から見た解釈の矛盾──新自由主義と「第三の道」の場合 松尾匡:連載『リスク・責任・決定、そして自由!』 経済 #リスク・責任・決定、そして自由!#ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼 前回は、1970年代までの国家主導的なシステム、とくに、アメリカ・リベラル派や旧来の社会民主主義の担った福祉国家システムが、固定的人間関係原理と流動的人間関係原理との「幸せな総合」によって根拠づけられていたということを見ました。この「総合」を可能にしたのが、社会契約説の理屈で、前回はとくにアメリカ・リベラル派の代表的政治哲学者、ジョン・ロールズの「無知のベール=天使の社会契約」の論理について検討しました。 こうした社会契約説の理屈付けはたしかにフィクションですが、私は、1970年代までの先進国の状況の中では、人々に自然に受け入れられる現実的根拠を持っていたのだと述べました。しかし、そのあと1980
1888年に米国で出版され、「アンクル・トムの小屋」と並ぶ大ベストセラーとなった小説にエドワード・ベラミー(1850~1898)の「かえりみれば――二〇〇〇年から一八八七年」(原題:”Looking backward 2000-1887”)という作品がある。1887年から2000年のボストンへとタイムスリップした上流階級の男性が体験する113年後の世界を描いたユートピア小説で、知識人から大衆まで大ブームとなり、二十世紀に入っても「最も影響が深い二五冊の書物」としてマルクスの「資本論」に次ぎ第二位に選ばれたという。 本間長世による本書の解説「ベラミー『かえりみれば』の現代性」によれば、エーリッヒ・フロムは本書を評して『ベラミーのユートピアは、その根本的要素のほとんどすべてにおいて社会主義のユートピアであり、多くの点においてマルクス主義的ユートピアであることは、ほとんど疑問の余地がないと述べて
池内恵(いけうち さとし 東京大学准教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について、日々少しずつ解説します。有用な情報源や、助けになる解説を見つけたらリンクを張って案内したり、これまでに書いてきた論文や著書の「さわり」の部分なども紹介したりしていきます。
変なもの見ちゃった(笑)。エントリ読まなくて良いからこれ見て笑って週末をお迎えください。ワタクシはお仕事で2泊3日王子のお伴をして参ります。 いくらノルマンディー70周年とはいえ大丈夫ですかwww まあ、このBBCその他がヨーロッパ各国の訛を笑いものにしまくってるおかげで、どの国の人の訛も無問題で理解出来るようになりました…本当にありがとうございます(笑)。 European Commission endorses Telegraph view of the euro (欧州委員会が小紙のユーロに関する見解を承認) By Ambrose Evans-Pritchard Economics Telegraph Blog: Last updated: June 13th, 2014I never thought I would live to see a serving European Co
日本の「タックスヘイブン化」計画が実行できれば、日本経済はダイナミックに変わる。では、その先にはどんな社会ができあがるのか。 『エコノミスト・ミシュラン』(太田出版刊、共著)、『不謹慎な経済学』(講談社刊)など、独自の視点で経済を斬る田中秀臣・上武大学ビジネス情報学部教授は外国人労働者の流入が本格化すると語る。 ****************************** 現在、日本の中小企業では、単純労働者(非熟練労働者)の数が足りていない。特に福祉関係である。 日本がタックスヘイブン化し、移住しやすい環境が整えられれば、たとえ低賃金でも、喜んで仕事をする人が海を渡ってやってくる。 そうすると、日本の労働市場は様変わりする。派遣の日本人が外国人労働者に排除されると思うかもしれないが、そうはならない。逆に、良いスパイラルの中では、より高度な労働市場が生まれ、さらに働き口が見つかることになる
2014-03-13 医療に幻想を抱くエコノミスト 社会保障 いわゆるエコノミスト達と話して感じるのは、、規制緩和→健康・医療が成長産業に→高齢者の健康増進→医療費削減、というシナリオを信じ込んでいることです。 医療分野のチャンスとリスク アベノミスクは切り込めるか (ダイヤモンド・オンライン) 5歳若返ることで、全年代の医療費総額が▲11%削減される計算になった。稀有壮大な前提だと思うが、シニア層が10歳若返りしたと仮定すると、医療費削減は▲19%という計算になった。 企業がビジネスチャンスを目指して、新しい需要開拓を進めれば、その結果として国民の健康寿命は延長されるだろう。 しかしながら、事はそう単純ではありません。【高齢者医療は破綻するのか】で述べたように、75歳以上の後期高齢者になると、医療(特に脳や循環器)や介護の需要が急増します。 この意味ですが、人間を(生産に用いる)機械にた
グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道 作者: ダニロドリック,柴山桂太,大川良文出版社/メーカー: 白水社発売日: 2013/12/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (16件) を見る『グローバリゼーション・パラドクス』について、いろいろな方面から反響があり大変ありがたく思っております。 この本の核となる概念は、世界経済のトリレンマと呼ばれるものです。 今日は、ロドリックが(恐らく)はじめてこの概念について述べた論文から世界経済のトリレンマとは何かについて説明していきたいと思います。 "How Far Will International Economic Intergration Go?" Jounrnal of Economic Perspective Vol.14, pp.177-186 この論文では、次の3つは同時に成り立たないとされています
今日は 2011年3月10日 かもしれない。 東日本大震災が起こる1日前。 2011年3月10日と、3月11日のツイートをまとめました。 なんでもない日常のすぐ先に、非日常はあります。 地震はまた必ずやってきます。 この文章を読んだ1分後かもしれないし、 明日かもしれないし、10年後かもしれない。 だから、防災の準備がまだの人は今すぐに。 防災まとめ ツイート
→紀伊國屋ウェブストアで購入 「”プルトクラート文化”とは何か」 経済格差について書かれた本は多いが、本書(クリスティア・フリーランド著『グローバル・スーパーリッチ~超格差の時代』中島由華訳、早川書房、2013年)は、「フィナンシャル・タイムズ」の「ベストブック・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたベストセラーの翻訳である。経済学者やエコノミストなら、最近、この問題に関してスティグリッツやクルーグマンのような高名な経済学者が時折「格差」を批判する論説を発表していることを知っているだろうが(注1)、本書の特徴は、「経済分析」というよりは、格差を生んだ「文化」について多くを語っているところにあると言えよう。 1970年代、アメリカでは上位1%の年収は国民所得の10%を占めるに過ぎなかった。ところが、35年後には、昔の「金ぴか時代」のように国民所得の三分の一を占めるようになった。それを象徴する数字を、ロ
昨年は、消費税率の引き上げと合わせて、社会保障改革を巡る議論が注目されました。今年、社会保障はどうなるのか、藤野解説委員です。 Q1 4月から消費税率があがりますが、社会保障は少し良くなりそうですか? Q2 今年、どういう部分が変わるのでしょうか? A 厳しくなるものから見ていきます。主なものはこの3つ、「高齢者の医療費の自己負担の引き上げ」。「年金の減額」。「年金保険料の引き上げ」です。 それぞれの中身を説明しますと、まず、高齢者の医療費の自己負担の引き上げについてですが、今、70歳以上の人は、病院の窓口で支払う負担が、原則、かかった医療費の1割となっています。(所得の多い人は3割負担)。 これが、今年4月からは、70歳の誕生日を迎えた人から順に2割になるんです。 Q3 3月までに70歳になる人は1割のままで、4月以降に70歳になる人は2割になるんですか? A そうです。 2割
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